都臨床研


 ウイルスに感染したことを感知し、防御のためにインターフェロンを作り出すよう促すスイッチの役割を「RIG―I」という酵素が果たしていることを、東京都臨床医学総合研究所の藤田尚志副参事研究員らが発見した。このスイッチを操作できるようになれば、肝炎やがんなどの新たな治療法につながる可能性があるという。21日付の米科学誌ネイチャー・イミュノロジー電子版で発表した。

 藤田さんらは、ウイルスが増える過程で細胞内にできる「二重鎖リボ核酸(RNA)」を感知している酵素を、ウイルス感染させた培養細胞で探し、RIG−Iを突き止めた。感染を感知した時には、この酵素の特定部分が働いてインターフェロンを作るように信号を出すことがわかった。

 インターフェロンはウイルスに対抗する免疫反応を起こす生理活性物質で、肝炎やがんなどの治療に使われている。RIG―Iの特定部分を活性化する薬ができれば、自らインターフェロンを作り出す量を増やせる可能性があるという。

 藤田さんは「RIG―Iをつくる遺伝子を患部に入れる遺伝子治療も考えられる。がんやC型肝炎の新たな治療法につながる」と話す。


筋少は死なず。ただ去り行くのみ。

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