苦々しい表情の近鉄社長が明言「回収見込みない」

 「回収の見込みのない経営資源を野球に投入するのは無理だ」。プロ野球近鉄オリックスとの合併交渉が明らかになった13日、記者会見した近鉄球団親会社の近畿日本鉄道山口昌紀社長は明言した。だが、具体的な合併方法については「すべてはこれからの話だ」と苦々しい表情で繰り返すだけだった。

 山口社長は近鉄球団の小林哲也社長と2人で大阪市内のホテルで会見。100人以上の報道陣が詰め掛け、用意されたいすが足りないほどだった。

 合併について山口社長は「今の経済状況では売却は難しく、(合併は)球界の了解を得られれば、実現性は高いと考えた」などと説明した。
 「合併の条件は」「合併後も近鉄は球団経営に携わるのか」などと質問が相次いだが、山口社長は「これからなのに(報道が先行し)大変迷惑だ」と口を閉ざし、あからさまに不快感を見せた。

 小林社長も目を閉じたり、上を向いたり落ち着かない様子。合併後の球団の本拠地についても「オリックスとすり合わせる必要がある」と明言を避けた。