中国で発見

「安らかに眠る竜」の化石=徐博士提供


 中国東北部遼寧省白亜紀前期の地層(約1億4千万〜1億3千万年前)から、頭をひじの下にたくしこんだ、鳥類に特有の寝姿をとった肉食恐竜の新種の化石が見つかった。鳥類は恐竜から進化したとする説が有力。抱卵に続いて、鳥類独特の行動が恐竜のうちから始まっていたことを示す事例だという。

 新種はトロオドン科で、中国語で「安らかに眠る竜」を意味する「メイ・ロング」と命名された。中国科学院の徐博士と米自然史博物館のマーク・ノレル博士が14日付の英科学誌ネイチャーに発表する。

 化石は全身骨格(推定体長53センチ)で、頭を左ひじの下にたくしこみ、足首やひざを体の下に入れていた。ほとんど脱臼しておらず、ほぼ生きていた時の姿勢のままと考えられるという。こうした姿勢は、鳥類が寝たり休んだりするときに広く見られる。

 体を丸めることには、外気と接する体表面積を減らし、鳥類や哺乳類のような恒温性の動物にとって重大な、体温の低下を防ぐ効果がある。恐竜の一部は恒温性だったとする説もあり、国立科学博物館真鍋真・主任研究官は「この新種は、ある程度の恒温性を進化させていた可能性がある」と話す。

 この恐竜化石は、来年3月から東京、名古屋、大阪、福岡で開かれる「恐竜博2005」(朝日新聞社など主催)で、世界で初めて公開される予定。 (10/14 06:52)


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