中国で新種化石

写真左上の横線が、ティラノサウルス類


 中国遼寧省白亜紀前期の地層(約1億4000万〜1億3000万年前)から、羽毛の原形とみられる繊維状の構造を持つ肉食恐竜ティラノサウルス類の新種が見つかった。ティラノの類では最古のものだ。

 見つかった化石は鼻骨や歯などの特徴からティラノサウルス類と分類された。全部で4体分の化石が発見されたが、最大でも推定全長1.6メートルだった。肉食恐竜の中で最も大型化したティラノサウルス類が初期は小型だったことが分かった。

 尾と下あごの骨のそばには繊維状の構造があった。松葉状に二股に分かれているものもあり、同じ地層から羽毛恐竜が見つかっていることから、研究チームはこの構造を羽毛の原形と結論づけた。肉食恐竜と鳥は共通の祖先を持つという説を改めて裏付けた。

 大型恐竜のイメージとは反して小型であることから、ラテン語の「逆説的」という語と合わせ、「ディロング(皇帝竜)・パラドクサス」と命名された。

 真鍋真国立科学博物館主任研究官は「初期のティラノサウルス類が小型で羽毛を持つ恐竜だったと化石で証明されたのは面白い。ティラノサウルス・レックスのように大型化したときに羽毛があると体温が上がりすぎる恐れがあるが、一部の羽毛は残っていたかもしれない」と話す。

 朝日新聞社は来年3月から東京などで開く「恐竜博2005」で、世界で初めてこの恐竜の全身骨格化石を公開する予定。

(10/07 03:06)


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