滋賀の遺跡


 滋賀県長浜市の大戌亥(おおいぬい)・鴨田遺跡で出土した3世紀中頃の甕(かめ)に、漢字の「卜(ぼく)」と読める文字が刻まれていたと8日、同市教委が発表した。筆圧の変化や書き順などから、同市教委は漢字の可能性が高いと判断した。漢字が刻まれた土器は、3世紀以前では全国で3例しか見つかっておらず、非常に珍しいという。

 市教委によると、甕は遺跡中央部の板状の石を積み上げた祭祀遺構から99年12月に見つかった。遺跡からは約5万点の土器が出土し、分析を続けていた。

 「卜」とみられる漢字は、縦の画が2.9センチ、横画が3.5センチ。甕(高さ22センチ、口径16センチ)の肩部分に天地が逆さの形で記されていた。土器を焼き上げる前の軟らかい素地に棒のようなもので刻まれた、とみられる。

 市教委では「卜は占いを意味する漢字で、祭祀遺構から出土したことからも漢字の可能性が高い」としている。

 文字や絵が刻まれた刻書土器のうち、三重県安濃町の大城(だいしろ)遺跡から出た2世紀前半の高坏(たかつき)に刻まれた「奉」が漢字としては最古とされる。

 奈良大学文学部の東野治之教授(日本古代史)は「線には太い部分と細い部分があり、3世紀の中国の文献に出てくる文字と形が似ている。他の刻書土器と同様に漢字が1文字だけ刻まれていることから、土器の用途を示すために刻まれた可能性がある」と話した。

 甕は11日〜10月12日まで、長浜市公園町の長浜城歴史博物館で公開される。

(09/08 20:55)



ジミ・テナーもカヴァーしてた。
ダブリンのオデュッセイア

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