産総研と東大


 物に光を当てると、当たった同じ場所から反射する光や屈折する光が出てくる、と考えられてきた常識が覆った。反射光も屈折光も光の入射位置から微妙に横へずれて出てくることを、産業技術総合研究所茨城県つくば市)と東京大のグループが突き止めた。ずれはごくわずかで、レンズなど光学製品では無視できる範囲だが、将来の光通信の回路の設計などには影響を与えそうだ。

 光は電磁波の一種であると同時に、「スピン」と呼ばれる自転に似た性質を持つ光子でもあることがわかっている。

 産総研の永長直人・研究チーム長と小野田勝研究員、東大の村上修一助手は、この二重性の効果を計算に入れて、幾何光学の基礎方程式を補正した。すると、空気と水のような屈折率の異なる物質の境界面に光が入射する時、反射光や屈折光が進行方向に対して横へ、わずかにずれることがわかった。

 横ずれの距離は、光の波長や屈折率の違いによって異なるものの、波長程度のわずかなもの(可視光なら1万分の数ミリ)だった。その一方で、「フォトニック結晶」と呼ばれる特殊な素材では、条件次第で横ずれ距離が数十倍になることもグループは示しており、光通信の回路の開発などで「ずれ」が利用できる可能性もある。

 従来の幾何光学では、二重性を無視して光を粒子的に扱い、レンズの設計などをしてきた。70年代にロシアの研究者が実験でずれを見つけたと発表したが、理論的には突き止められていなかった。 (09/08 20:56)



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