ティラノサウルスで実証


 恐竜はどうしてあんなに大きくなるの? 子どもの疑問に対する答えを米国などの研究チームが見つけた。肉食恐竜の中で最大級のティラノサウルス(体長約12メートル、体重約5トン)の化石を調べ、14歳から約4年間に最高1日2キログラム以上というスピードで急成長した結果だと分かった。12日付英科学誌ネイチャーに発表する。

 チームは、米フィールド博物館や米国自然史博物館などの研究者。

 爬虫類のワニやヘビなど変温動物は寒い時期に成長が鈍るため、骨に1年間の成長を示す「年輪」ができる。恐竜にもできるが、成長につれ骨内の構造が変わり、観察できないとされていた。

 研究チームは、恐竜でも肋骨や脚の骨の一部などに年輪が残っていることを発見。ティラノサウルスや小型のものなどティラノサウルス科の4種類の恐竜計20体の化石を顕微鏡で観察し、年齢や成長速度を調べた。体重は大腿骨の大きさから推測した。

 アルバートサウルスなど体重2トン以下の恐竜は10歳前後から約4年間に成長が緩やかに加速し、1日約0.3〜0.5キロ増加した。ティラノサウルスは平均で14歳からの4年間に一気に成長が加速し、1日2キロ以上増えた時期もあった。調べた化石の中で最大かつ最高齢だったティラノサウルス「スー」は13歳前後から急成長し、死亡時に28歳だったが、20歳以降は成長がほとんど止まっていた。

 真鍋真国立科学博物館主任研究官は「恐竜の巨大化は爬虫類のように長い期間成長を続けるためか、成長速度が速くなるためか、2説あったが、これで成長速度のためと分かった」と話す。

 フィールド博物館所有の「スー」の化石の一部や全身複製骨格は、朝日新聞社が来年3月から東京などで開く「恐竜博2005」(仮称)に出品される。 (08/12 03:06)


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