豪チームが発表


 ミツバチの巣にいる働きバチの父親が20〜30匹とたくさんいることが、暑がりと寒がりの働きバチを生み出し巣の中の温度を一定に保つのに貢献していることが分かった。オーストラリア・シドニー大学の研究チームが米科学誌サイエンス電子版に発表した。遺伝的な多様性が、種の保存に役立っていると言えそうだ。

 働きバチの母親は1匹の女王バチ。父親バチが多数いるため、遺伝情報が多様な働きバチが生まれる。

 チームは、父親バチが多数いる理由を調べようと計画。通常の巣と、1匹の父親バチを使って人工授精で生まれ、遺伝情報がほぼ均一な働きバチの巣の温度の変化を調べた。

 ミツバチの子は35度前後でないとうまく成長しない。働きバチは、暑くなると羽ばたきをして熱気を外に出し、寒くなると体を寄せ合って発熱し、温度を調整する。

 巣の周囲の気温を26度から40度に徐々に上げると、通常の巣では羽ばたきを始める時期が異なり、巣の温度変化はなだらかで35度から上下0.5度の範囲内だった。

 均一な働きバチは、同じ行動をとるので温度変化が激しく、35度から上下1度の幅があった。

 佐々木正己・玉川大学ミツバチ科学研究施設教授は「働きバチの遺伝的な多様性が巣の温度の安定に貢献していることを実験的に示したのは、興味深い」と話す。



ポールに双子の子供

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