ようやく埋葬へ


 台湾の元総統である蒋介石蒋経国父子の遺体が正式に埋葬されることが8日決まった。2人の遺体は「国民党がやがて中国大陸に攻め戻った後、大陸に正式に埋葬する」という考えに立って、台湾では安置されたままになっていた。

 蒋介石氏は共産党との内戦に敗れて台湾に逃れ、75年に死去。長男の経国氏は88年に死去した。蒋介石氏の遺体は、故郷の中国浙江省奉化県の風景に似た台湾桃園県大渓鎮の建物の一室にひつぎに入れられて安置されており、経国氏の遺体も近くに安置されている。

 台湾当局の8日の発表によれば、経国氏の夫人が「死者の霊を慰めるため」、台北県にある国軍墓地への2人の埋葬を「蒋家の意思」として国防部に要請した。総統府は同日、「遺族の意思を尊重する」とするコメントを発表。埋葬は来春の見通しだ。

 国民党も同意したほか、「蒋家」とは敵対していた民進党幹部も「彼らも台湾の土に眠ることで、人々の台湾人意識は一層固まる」と評価した。 (07/08 19:54)