medicine 原因遺伝子発見


 リンカーン米大統領も発症していたと考えられている遺伝病マルファン症候群のうち2型の原因遺伝子を、科学技術振興機構の研究チーム(代表、新川詔夫・長崎大教授)が見つけた。4日付の米科学誌ネイチャー・ジェネティクス電子版に発表する。早期診断と発症予防にも役立つと期待される。

 この病気は5000〜1万人に1人発症する遺伝性の難病で、大動脈にできたコブが破れ突然死することがある。やせて高身長、長い手足、はと胸、緑内障などの目の異常、ゆるい関節などの特徴が出る。日本でも患者団体が活動を続けている。

 特徴的な症状がはっきり出る1型では91年に原因遺伝子が見つかっていたが、目の症状が出にくい2型ではこれまで原因遺伝子が見つかっておらず、診断を確定することが難しかった。

 チームは、23対ある染色体のうち、3番染色体に異常のある患者が多いことから、詳しく調べた結果、がん抑制遺伝子として知られる「TGFBR2」の異常が原因と分かった。大腸などで体細胞に異常が起きるとがんを生じ、受精卵で異常があるとマルファン症候群2型を起こすらしい。

 研究チームの松本直通・横浜市大教授は「確定診断で早期発見できれば、激しい運動は避けるなど生活習慣の改善などで、突然死予防に役立つ」と話している。


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