最古の胴長爬虫類の化石発見


 石川県白峰村の約1億3000万年前の地層から、胴が長くて足が短い爬虫類(はちゅうるい)の化石が見つかった。ヘビ類の近縁のドリコサウルス類の新種で、ドリコサウルス類では世界最古の化石とみられる。一帯の化石を発掘する桑島(くわじま)化石壁産出化石調査団(団長=真鍋真国立科学博物館主任研究官)が2日発表した。ヘビの起源をめぐる論争で、陸上説を支持する発見となる。

 化石は長さ約15センチ。コンピューター断層撮影(CT)で調べた結果、見つかったのは腰から胸の部分と分かった。全長は40〜50センチ、胴の長さは約20センチと推定できた。

 背骨が前後の凹凸でしっかりとかみ合っていてクネクネ動いても外れないことなどから、ヘビ類や、かつて海にいた大型爬虫類の近縁のドリコサウルス類の一種と分かった。背骨の数が従来より10本以上多いので、新種と判断したという。

 ドリコサウルス類の化石は従来、欧州の海だった地域でしか見つかっておらず、9900万年前のものが最古だった。

 桑島化石壁は1億3000万年前の地層。恐竜などの化石が出ている。当時、日本海はまだなく、周囲はアジア大陸の一部だったため、ドリコサウルス類の化石が淡水地域で見つかったのは初めてとなる。

 真鍋氏は「ヘビの先祖は欧州の浅い海にいたという説と、陸上のオオトカゲなどの足が退化していったものだという説がある。今回の化石はより古い地層から見つかっているので、陸上説が有力になる」と語った。

ハナ肇に捧ぐ

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