日本で12件目


 中国蘇州市で開かれている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第28回世界遺産委員会は1日、新たな世界遺産として、和歌山、奈良、三重の3県にまたがる「紀伊山地霊場と参詣(さんけい)道」と、古代壁画で知られる北朝鮮の「高句麗古墳群」の登録を決めた。北朝鮮では初の世界遺産となり、修復保存の専門家の交流など同国と国際社会との対話が広がると期待されている。

 また、国境を挟んで同種の古墳群を有する中国から推薦のあった「高句麗の首都と古墳群」についても登録が決まった。

 紀伊山地の霊場と参詣道は(1)自然崇拝を起源とする熊野三山(2)空海が開いた高野山(3)山岳修行の拠点の吉野・大峯――の3霊場と、これらを結ぶ熊野古道大峯奥駈道(おくがけみち)、高野山町石道の参詣道で構成され、沿道の森林と一体となり独特の「文化的景観」を成している。

 日本の世界遺産としては姫路城(兵庫)、白神山地(青森、秋田)、白川郷・五箇山の合掌造り集落(岐阜、富山)、原爆ドーム(広島)などがあり、2000年の「琉球王国のグスクおよび関連遺産群」(沖縄県)に次いで12件目。

 高句麗古墳群は平壌周辺にあり、紀元前1世紀後半から668年にかけて北朝鮮中国東北部、韓国の一部を支配した高句麗の遺跡。登録対象は計63基の古墳で、壁画には4世紀ごろの生活風習や奈良の高松塚古墳と似た女性像が描かれたものなどがある。そのため高松塚やキトラ古墳の壁画のルーツではないかとも言われる。

 委員会は、諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)の勧告を受け、同古墳群が日本を含めた周辺地域に重要な影響を与えたことなども評価し、全会一致で文化遺産として世界遺産リストへの登録を決めた。

 高句麗古墳を巡っては、ユネスコ親善大使の平山郁夫東京芸術大学長が、約10年前から登録を呼びかけていた。今年4月にも北朝鮮を訪問し、高句麗古墳群保存のために同国が計画している研究所建設に日本側も民間レベルで支援することを決めている。

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