自殺か

 28日午後2時30分ごろ、東京都目黒区八雲3のマンション4階にある、脚本家で小説家の野沢尚(ひさし)氏(44)の事務所で、野沢さんがひものようなもので首をつっているのを野沢氏の妻が見つけ、119番通報した。

 警視庁碑文谷署の調べによると、同日午後、訪ねてきた妻が事務所のある部屋の呼び鈴を押したが応答がなく、鍵業者を呼んでドアを開けて室内に入ったところ死亡している野沢氏を見つけたという。検視の結果などから、亡くなったのは27日深夜から28日未明とみられる。同署は、遺書が室内にあったほか、部屋が荒らされていないことなどから自殺とみている。

 野沢事務所に代わって対応窓口になったフジテレビ広報部によると、通夜、告別式の日程は未定という。

 野沢氏は2007年にNHKで放送予定のスペシャ大河ドラマ坂の上の雲」の脚本に取り組んでおり、全15回の初稿を既に書き上げていたという。

 脚本家としては、1985年に日本テレビ系の「殺して、あなた…」でデビュー。向田邦子賞を最年少で受賞した「眠れる森」や、「青い鳥」などのヒット作を数多く手掛けた。

 社会派のミステリーから都会的なコメディー、ホームドラマまで、幅広いジャンルで活躍。自作の小説を脚色し、4月にテレビ朝日系で放送された「砦(とりで)なき者」が最後の作品となった。

 映画・舞台の脚本や小説の執筆にも意欲的で、北野武の初監督作品「その男、凶暴につき」を手掛けたほか、97年にテレビ報道の内幕をえぐった小説「破線のマリス」で江戸川乱歩賞を受賞。また、2001年には「深紅」吉川英治文学新人賞を獲得した。


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