language 国語研「外来語」委中間案

 外来語(カタカナ語)の言い換えを提案している国立国語研究所(甲斐睦朗所長)は29日、第3弾となる外来語33語の言い換え案の公表に合わせ、昨年から言い換えを検討してきた「オンライン」など4語について、「将来、定着が予測される」などとして、言い換えを断念したことを明らかにした。

 1度は検討対象とした外来語の言い換えを断念するのは初めて。一方、国語研は同日、外来語に関する国民の意識を調べた初の全国調査の結果も発表した。

 国語研は、行政白書から抽出した外来語の言い換えを一昨年から始めており、1回目の62語、2回目の47語に続き、3回目の今回は、「リテラシー」を「読み書き能力」「活用能力」とするなど、33語についての言い換え案を中間発表した。

 同時に、前回、最終提案に至らなかった5つの外来語のうち、「オンライン」「データベース」「フォーラム」について、<1>近い将来、外来語のままでの定着が予測される<2>言い換え語を絞り込むのが困難<3>外来語に勝る言い換えがない――などの理由で、言い換えの断念を表明した。

 また、「メセナ」は「文化支援」とする中間案に対し、大手企業人らでつくる「企業メセナ協議会」などが「新しいコンセプトの芸術文化支援運動に大打撃を与える」などの理由で反対したことを尊重して、言い換えを断念。残る「ユビキタス」は、どこでもパソコンを使える環境を意味するとして、前回提案された「時空自在」の言い換えについて、さらに検討を重ねることになった。

 外来語に関する意識調査は昨年10―11月、全国の15歳以上の4500人を対象に実施。今よりさらに外来語が増えることについて、「好ましくない」は13・3%、「あまり好ましいことではない」は42・0%で、外来語の増加を否定的にとらえている人が計55・3%に上った。外来語や略語の意味が分からず困ったことは、「しばしばある」が24・4%、「時々ある」が53・3%で、61・3%が外来語の言い換えを「必要と思う」と答えた。

 また、国語研がこれまでに提案した言い換え語と、元の外来語のどちらがわかりやすいかを尋ねたところ、「インフォームド・コンセント納得診療)」と「グローバル(地球規模)」は言い換え語が支持されたが、「デイサービス(日帰り介護)」は外来語の方に支持が集まった。

国立国語研究所=1948年発足。漢字をコンピューターで扱う道を開いたほか、方言の研究、日本語教育法の開発に実績を持つ。文部科学省所管の独立行政法人で、東京都北区にある。


■「外来語」言い換え中間案

 アカウンタビリティー      説明責任

 イニシアチブ        (1)主導(2)発議

 カウンターパート        対応相手

 ガバナンス             統治

 コンファレンス           会議

 コンプライアンス        法令遵守

 サプライサイド          供給側

 スキル               技能

 スタンス              立場

 ステレオタイプ         紋切り型

 セーフガード        緊急輸入制限

 セットバック          壁面後退

 ソリューション         問題解決

 ツール               道具

 デジタルデバイド        情報格差

 デフォルト    (1)債務不履行(2)初期設定

 ドクトリン             原則

 ドメスティックバイオレンス 配偶者間暴力

 ハザードマップ  災害予測地図・防災地図

 パブリックインボルブメント   住民参画

 パブリックコメント       意見公募

 プライオリティー        優先順位

 ブレークスルー           突破

 プレゼンス            存在感

 フロンティア           新分野

 ポートフォリオ    (1)資産構成(2)作品集

 ボトルネック            支障

 マンパワー           人的資源

 ミッション         使節団・使命

 モビリティー           移動性

 ユニバーサルデザイン    万人向け設計

 リテラシー    読み書き能力・活用能力

 ロードプライシング       通行課金

※あいうえお順。(1)、(2)とあるのは二つの意味を持つことを示す


1日4食3週間続けてカップラーメンを食した経験あり。

id:aerodynamik:20040610