高エネ研


 素粒子ニュートリノの質量の有無を実験で調べている高エネルギー加速器研究機構(KEK)など世界10カ国の研究チームは「質量がある確率は99.99%」とする結果を得た。パリで開かれる国際会議で15日発表する。質量がある確率はこれまで99%とされてきた。

 実験は、天然のニュートリノに質量があるとの観測結果が98年に発表されたのを受けて、検証のために99年6月から続けられている。

 茨城県つくば市にあるKEKから、約250キロ離れた岐阜県飛騨市にある東京大宇宙線研究所の観測装置スーパーカミオカンデへ人工的に作ったニュートリノを飛ばした。今年2月までの実験で検出されたニュートリノは108個で、質量がなければ150個余りが検出されるはずだった。

 チームは02年6月、「質量がある確率は99%」と発表。実験には誤差があり、質量がないのに質量があるように見える現象が観測され結論を誤る確率が必ずある。データが蓄積するにつれて、誤る確率は減った。

 スーパーカミオカンデでは01年11月、心臓部の光電子増倍管が割れる事故があった。今回の結果には、修理後に再開された実験で得られたデータも使われている。


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