language 屍・糞・姦もOK

 子どもの名前に使える漢字を大幅に増やした「人名用漢字の範囲見直し案」が11日、法制審議会(法相の諮問機関)人名用漢字部会から公表された。「蕾」「遙」「苺」などが認められて選択肢が広がる一方、「屍」「糞」「姦」など名前になじまない漢字も多数あり、専門家から疑問の声も上がっている。

 新たに認めるとされたのは578字。子どもの名は戸籍法で「常用平易な文字」と定められており、今回は出版物での使用頻度や市区町村の要望などに基づいて選定したという。

 関係者によると、「癌」「姦」などは部会内でも「除外すべきだ」との声があり、意味を検討するワーキンググループを設置して意見交換も行った。しかし、「語源にさかのぼると良くない意味を持つ漢字もあり、どこまでを不適切とするかは判断が困難」(法務省)として、幅広い追加案を公表して意見を募ることにした。

 部会の委員を務める国立国語研究所の甲斐睦朗所長は「命名は、幸せや出世など、親が愛児の一生に希望を託すもの。個人的には、除外すべきだと思う漢字が4、50字はある。ふさわしくないという声が高まれば、再検討することになるだろう」と言う。

 漢和辞典などの著者として知られる漢字学者で、立命館大名誉教授の白川静さんは「名前は人格形成に影響を与える大切なもの。よく使われている漢字という理由だけで決めたのは不適切。読み方が分からず、使いようもない漢字も多くある。人名にふさわしくない漢字を使うことにお墨付きを与えることになりかねない」と首をかしげる

 元文化庁長官で小説家の三浦朱門さんは「私も小学生時代、珍しい名前が原因で、仲間によくからかわれた」と苦笑。「最近はパソコンが変換してくれるので、国民が使う漢字の幅も広がっている。どんな名前を付けるかは親の責任。人名用漢字を定め、使用を制限することなど、もはや不要ではないか」と話している。

 法務省は7月9日まで、見直し案に対する意見をホームページ(http://www.moj.go.jp)で受け付けている。(読売新聞)


童貞文学とは?

id:bad:20040612