主導権はオリックスか

 近畿日本鉄道山口昌紀社長と、プロ野球近鉄バファローズの小林哲也球団社長が13日、大阪市内のホテルで記者会見し、バファローズオリックス・ブルーウェーブを合併させることで合意していると発表した。山口社長はオリックス宮内義彦オーナーと5月に会談し「一本化しようということで合意した」と言う。合併後の経営参画には「これからの話」と明言を避けたが、一方で「回収の見込みのない経営資源を野球に投入するのは会社の性格上、無理」と話しており、実質的にはオリックス側が主導権を握りそうだ。

 合併が成立するとパ・リーグ球団は6から5に減り、1日に1チームが試合を組めなくなる。セ・リーグを含めて1リーグ制などへの球界再編が加速する可能性もある。

 球界再編について、山口社長は「それは野球界の問題。われわれがコミットする問題ではない。垂れ流しの赤字は何とかしたい」と赤字削減が最優先の姿勢を鮮明にした。

 小林球団社長は「理事会、実行委員会、オーナー会議など直近の会議から説明することになる」と話した。プロ野球の最高議決機関であるオーナー会議は7月7日に予定されている。またパ・リーグはこの日、緊急理事会を17日に開催することを決めた。

 近鉄は入場者数の減少、年俸の高騰、大阪ドームの使用料の年間10億円などが経営を圧迫し、赤字が年間40億円に達していた。今年1月にはチーム名の命名権売却案を発表したが、球界内の反発を受けて断念した経緯もあった。

 過去に合併は1951年の西鉄と西日本(現西武)、53年の松竹と大洋(現横浜)などがある。