米東部で数十億匹予想


 米東部で周期的に大量発生する不思議な「17年ゼミ」が羽化を始めた。ニューヨークやバージニアなど15州とワシントンで、6月終わりにかけて数十億匹が羽化すると予想されている。米東部の初夏は、セミの大合唱に包まれそうだ。

 米国の東半分には、幼虫のまま土の中で13年または17年をすごす「13年ゼミ」「17年ゼミ」が生息している。7種15群のうち、羽化を始めたのは87年に大発生したセミの子どもたちで、最大級の群だ。

 地上にはい出した幼虫は、羽化して体長3センチくらいの成虫になる。多いところでは、フットボール場ほどの面積に100万匹もの密度で発生するという。

 地上での命は6週間ほど。オスは自動車のエンジン音にも匹敵する鳴き声でメスを呼び、メスは樹木の枝に卵を産みつける。これらが羽化するのは17年後の2021年だ。

 13年または17年を地中で過ごす理由は分かっていない。周期的に大量発生することで、天敵の鳥に食べ尽くされるのを防いでいるらしい。


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