シェークスピアのマクベス像は事実でない=英スコットランド議員

 [ロンドン 3日 ロイター] 英スコットランド議会の議員グループは3日、劇作家ウィリアム・シェークスピアの戯曲「マクベス」に登場するマクベス像は事実ではないとの見方を明らかにした。シェークスピアは著書の中で、マクベスが野心に満ち、冷血だったと描いている。

 同グループは、「マクベス」が400年前に劇場で初上演されて以来、悪玉のイメージが強かった11世紀のスコットランドマクベスの名声を取り戻したいとしている。

 ある議員は「マクベススコットランドを平定した良き王として知られている」と述べ、「戦時に国を統一し、キリスト教の布教に努めた。王はローマ帝国への出入国が自由にできたが、当時では考えられないことだった」と強調した。

 戯曲ではマクベスは魔女3人の予言に苦しめられ、睡眠中の王を殺害して王位につくが、最後は狂気の中で最期を迎える。

 議員は大半が間違っていると指摘。シェークスピアが、魔女を信じる迷信深いジェームズ6世に取り入るために戯曲を執筆したとしている。ジェームズ6世は当時王位を継承したばかりだった。

 議員グループは、1040年―1057年にスコットランドを支配したマクベス王の生誕1000年を祝う式典を開催する法案を議会に提出している。
(ロイター) - 2月4日20時43分更新