東京・府中の上円下方墳


 東京都府中市武蔵府中熊野神社古墳で出土した大刀の鞘尻から、銀象眼を施した七つの星(七曜)の文様が確認されたと、市教委が14日発表した。七曜は日本最古の貨幣とされる富本銭に描かれた文様で、富本銭以外の出土品から見つかったのは国内で初めてという。

 同古墳は7世紀中期ごろ築造された国内最古の上円下方墳で、鞘尻は今年2〜6月の発掘調査で埋葬者を安置する玄室から見つかった。表面の錆がひどく、都埋蔵文化財センターにX線撮影を依頼していた。

 鞘尻は鉄製で、長さ4.1センチ、幅3.6センチ。七曜の文様は表面に溝を刻んで銀をはめ込む銀象眼の技法を使い、計7個描かれていた。

 天武朝当時(7世紀後半)に鋳造された富本銭の場合、七曜の文様が中央の四角い穴の左右に描かれている。中国の陰陽五行説に由来し、天地創造を表すとされる。

 奈良文化財研究所の松村恵司・考古第2室長は「熊野神社古墳の上円下方という墳形と七曜の組み合わせは、富本銭の思想に通じ、極めて興味深い。天武朝より早い時期から、中央の世界観が東国まで浸透していたのだろうか」と話している。

(09/14 23:31)


ザ・シンセサイザーズ復活

id:ohotzka:20040915