すべてのサンプリングに使用料が義務付けられる

現地時間の火曜、米連邦控訴裁判所は、いかなる音源でもサンプリングした場合には使用量の支払いを義務付けるという判決を下した。

これにより今後アーティストたちには、他のアーティストの作品から大部分をサンプリングした場合だけではなく、短い音源やコード、ビーツなど、自身が作曲したものではない音源すべてに対して使用量を支払うことが義務付けられる。以前はこれらの小規模のサンプリングは合法だった。AP通信が伝えた。

シンシナティの第6巡回控訴裁判所に出席した3人の裁判官は、音楽の海賊盤を阻止するための法律と同様の内容がデジタル・サンプリングにも施行されるとし、「もし録音された音源全体を盗むことができなければ、もう少し短い部分だけならサンプリングしてもよいというのだろうか?我々の答えは否定形だ」と説明した。

この新しい規則によって、1990年にリリースされたN.W.A.の「100 Miles and Runnin’」に注目が集まっている。同曲は1975年のファンカデリックの楽曲「Get Off Your Ass and Jam」から、3音のギターリフをサンプリングしている。ピッチが下げられたこのサンプルは2秒程度の長さだが、ループにより16ビーツまで延長されており、曲を通して5回登場する。

この曲は1998年にマスターPのNo Limit Filmsが制作した映画「I Got the Hook Up」に登場した。同社はこのサンプリングが著作権法で保護されていなかったと訴えていた。

2002年、裁判所はこのギターリフが実際は著作権法で保護されていたが、このサンプリングは「裁判管轄権内ではない」としていた。控訴裁判所は、他のアーティストの作品を使ったと自覚しているアーティストは免れないとしてこの判決に反対し、訴訟を下級裁判所に送った。

「ライセンスを得るか、サンプリングを止めるかするべきだ」と裁判所は火曜日にコメントした。「我々はこの判決がクリエイティビティーを鎮圧しているとは考えていない」


↓元ネタ

http://www.mtvjapan.com/cgi-bin/news/news.cgi?year=2004&month=09&day=13&no=3