物材機構と早大発見


 良質の絶縁体であるダイヤモンドが、発熱せずに電流が流れ続ける超伝導の状態にもなることがわかった。消費電力の極めて少ないエレクトロニクス素材への応用が期待される。物質・材料研究機構茨城県つくば市)の高野義彦主任研究員と早稲田大の川原田洋教授らが4日発表した。

 高野主任研究員らは、シリコンの上にメタンのガスを通し、メタンに含まれる炭素原子がシリコン板の上に堆積(たいせき)して、ダイヤの薄い膜ができるようにした。そのうえで、ダイヤに添加する不純物のホウ素の濃度を2%まで高めたところ、マイナス264.5度で電気抵抗ゼロの超伝導状態になった。

 純粋なダイヤは絶縁体で、微量のホウ素が添加されると半導体になるが、今回の発見で、条件次第では超伝導体にもなることがわかった。ダイヤだけでつくったトランジスタと電気抵抗ゼロの導線を組み合わせた超低消費電力の集積回路などができる可能性がある。

 ダイヤは高電圧に耐えられることや比較的高温でも動作することなどから、半導体材料の主流であるシリコンに比べ、性能がけた違いに高い素材として期待されている。

 高野主任研究員は「冷凍機で比較的簡単に到達できるマイナス263度を目標に、超伝導になる条件を調べていきたい」と話している。

(08/06 03:08)


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