山之内製薬研究所


 遺伝子の働きぶりを調べるDNAチップを用いて、体内時計の時刻(体内時刻)や体内時計の乱れであるリズム障害を調べる方法を山之内製薬が開発した。将来、リズム障害の不眠症や時差ぼけ、リズム障害を伴ううつ病などの治療や予防に役立てたいという。近く米科学アカデミー紀要電子版で発表する。

 研究にあたったのは同社創薬研究本部分子医学研究所の上田泰己研究員(現理化学研究所)ら。

 マウスの肝臓組織から体内時刻に関連する時刻表示遺伝子168個を特定し、新たに作ったDNAチップでその働きぶりをみて、体内時刻を測定した。正常なマウスは、実生活上の時刻とのずれが1〜2時間以内の誤差でほぼ正確に測れた。このため、体内時刻のずれは、どの時刻表示遺伝子が働いているかを見れば、測定できるという。

 これまで、体内時刻を測定するには2日間にわたって4時間おきに血中の神経伝達物質メラトニンを測定する必要があったが、この方法なら1度の測定で済む。

 研究グループは、ヒトへの応用も可能だとしており、わずかな血液や口の中の粘膜などを採取すればいいという。上田さんは「遺伝子は60個程度選べば、ほぼ正確に体内時刻を測れる」と話している。

 DNAチップは、数センチ四方のガラスなどの基板上に、調べたい遺伝子の鋳型のDNAを張り合わせて作る。

(07/20 07:27)


D坂あたりのゴーゴークラブで

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