93歳

 【ワシントン=伊藤俊行】アルツハイマー病で療養中だったロナルド・レーガン米大統領が5日午後(日本時間6日未明)、カリフォルニア州ロサンゼルスの自宅で死去した。93歳だった。

 レーガン元大統領は1994年にアルツハイマー病を患っていることを公表して以降、公の場に姿を見せず、最期は、ナンシー夫人ら家族がみとったという。

 ブッシュ米大統領は訪問先のパリで弔意を表明。ワシントンのホワイトハウスには半旗が掲げられた。米大統領は、「彼の指導力のお陰で世界は恐怖と専制政治を葬り去ることができた」と述べ、ソ連共産主義体制の終えんを導いたレーガン元大統領の功績をたたえた。

 レーガン氏はイリノイ州タンピコで生まれた。俳優から政治家に転じ、1980年、共和党候補として現職のカーター大統領(当時)を破り、第40代大統領として81年から89年まで2期8年を務めた。外交・安全保障面では、ソ連を「悪の帝国」と批判、対決姿勢を強め、軍事予算を拡大して、「スター・ウォーズ構想」とも呼ばれた戦略防衛構想(SDI)に着手した。

 その一方で、87年にはソ連ゴルバチョフ書記長(当時)との間で、欧州の短中距離ミサイルを撤去することで合意するなど、冷戦終結への道筋をつけた。82年にはグレナダ侵攻を行った。

 経済面では、財政赤字貿易赤字に悩まされながらも、「レーガノミックス」と呼ばれる大型減税を断行し、各種規制緩和を大幅に進めた。

 86年には、米国人人質解放のためイランに秘かに武器を売却し、その代金の一部がニカラグアの反政府武装勢力に流れていた「イラン・コントラ事件」が発覚し、レーガン政権を揺さぶった。(読売新聞)