豪に2億5千万年前の地形


 オーストラリアの北西約200キロ沖に、小天体が衝突してできたクレーターと考えられる地形を、米国と豪州の研究チームが発見した。2億5000万年前の生物大絶滅を引き起こした可能性があるという。この時の絶滅は、恐竜などが姿を消した約6500万年前の絶滅規模を上回り「地球史上最大」とされている。

 チームは、地震波や重力異常の観測から、この海域に直径約100キロ規模のクレーターが隠れていると推測、海底を掘削して試料を調べた。

 その結果、衝突によって破砕や溶解を起こしたとみられる岩石が見つかったことなどから、衝突クレーターと判断。

 衝突が古生代末だったことも分かり、フズリナ三葉虫など海の生物種の9割と、地上の多くの動植物が滅びた時期と一致した。

 山口大の三浦保範・助教授(地球惑星物質学)は「この時代の海底クレーターを見つけたのは大発見だ。これで当時の大絶滅のすべてを説明できるかが今後の議論になるだろう」と話す。


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