「働きアリ」2割が働かず 北大・助手らが研究


 「働き者」とされながら、ほとんど働かない「働きアリ」がいることが、北海道大大学院農学研究科の長谷川英祐助手(進化生物学)らの研究で分かった。

 一昨年春から5カ月間、国内の森林などにいるカドフシアリ約30匹ずつの三つのコロニー(集団)を室内の人工の巣に移して観察した。

 その結果、「巣の外にエサを採りに行く」「卵や女王アリをなめてきれいにする」「ごみを捨てる」などの仕事をほとんどしないアリが、どのコロニーにも約2割いた。

 働きの良い6匹を取り除くと、次に仕事熱心な層の労働量が若干増えたが、働かない層はやっぱり働かなかった。逆に仕事をしない6匹を除去すると、よく仕事をしていた数匹の労働量は若干、減った。最も働いている層の仕事は、幼虫の世話が大半だったという。

 長谷川さんは「働かないアリは一見、役に立たないようだが、コロニーにとっては意味があり、役立っているとしたら興味深い。年を取って働けないのかもしれない」と話している。

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