地球の兄弟いっぱい? 

 宇宙に無数にある惑星のなかで、「地球型」の惑星は、半分以上を占めるらしい――国立天文台の小久保英一郎助手(惑星系形成論)と井田茂・東京工業大助教授(同)が、こんな試算をまとめた。生命存在の可能性がある地球型は「宇宙では例外」とする見方を覆す形となる。

 惑星には、主成分が岩石の地球型、ガスの木星型、氷の天王星型の3種類がある。宇宙では、私たちの太陽系と同じように、内側から、地球型、木星型、天王星型の惑星ができると考えられていた。

 だが95年以来、100個以上発見されている太陽系外の惑星は、すべてガスが主成分の木星型。うち半数は太陽から地球の距離より近いところを回っている。このため、地球型惑星は例外だと考える見方が強まっていた。

 小久保さんらは惑星のもとになる、中心の恒星を円盤状にとりまくチリやガスの重さに注目。天文計算用では世界最速のコンピューターで惑星の誕生過程を再現した。

 その結果、チリやガスの重さが、太陽系の数倍を超えると、地球型はできにくくなり、木星型惑星が、より内側にもできることがわかった。惑星が重くなり、ガスを引き寄せる力が強くなるためとみられる。ただ、観測によるとチリやガスが重い例は1割程度しかなく、宇宙全体では半分以上の惑星が地球型になる可能性が高いという。

 地球型惑星は、木星型より小さくみつけにくい。このため、複数の望遠鏡衛星を組み合わせた「超大口径」望遠鏡で地球型惑星探しをする構想が、日米欧で進みつつある。小久保さんは「地球型惑星は、宇宙ではごく普通にあると考えられる。観測精度さえ上がれば、きっと見つかるだろう」と話している。

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