クオーク4個の新粒子発見

 高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)の加速器「Bファクトリー」で実験しているKEK、東京大学などの国際共同研究グループが、基本粒子クオーク4個からできた新粒子を見つけたと発表した。同グループの発見の後、米国の研究所もこの新粒子の存在を確認したという。

 相原博昭・東京大教授らによると、新粒子はヘリウム原子1個分に相当する重さで、1兆分の1秒のさらに10億分の1ほどのごく短い時間で他の粒子に壊れた。

 グループは重さなどから、新粒子はD中間子と呼ばれる粒子2個が分子のように結びついた状態とみている。中間子は6種類あるクオークの組み合わせで多くの種類があるが、どれもクオーク2個でできている。新粒子は計4個のクオークで構成されていることになる。この粒子の存在は、一部の理論家が予想。今回、初めて実験で確かめられた。

 新粒子は、Bファクトリーで約1億5000万組のB中間子・反B中間子対の壊れ方を調べていて、36回発生した。

 自然界でクオークは2個(中間子)か3個(陽子や中性子)の状態でしか存在していない。今年夏、大阪大核物理研究センターなどの国際研究グループが大型放射光施設スプリング8兵庫県)での実験で、クオーク5個からなる新粒子を作り出すことに成功した。

 今回の成果は、クオークの性質を考える上で、手がかりになることが期待される。

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