西はりま天文台、「なゆた」でクエーサーの撮影に成功

 西はりま天文台兵庫県佐用町)は2日、国内最大の天体望遠鏡「なゆた」で、約100億光年離れた天体・クエーサーを撮影したと発表した。同天文台は「一般に公開している天文台で、これほど遠い天体の撮影に成功したのは、世界初ではないか」と話している。

 撮影したのは、北の空にある「りゅう座」の一角にあるクエーサークエーサーは大きなエネルギーを持ち、強い光を放つ天体だが、非常に遠くにあるのが特徴。同天文台は4月に装着した高性能電荷結合素子(CCD)カメラの性能を確認するため、100億光年離れたこのクエーサーの撮影に挑戦。2週間ほど前には視界が悪く断念したが、気候条件が良好だった1日午前0時ごろ、撮影に成功した。明るさは14等級程度しかない。

 同天文台の鳴沢真也主任研究員は「なゆたは理論上、100億光年離れた天体を捕らえる性能があるが、今回、それが証明できた。さらに遠くの天体の撮影にもチャレンジしたい」と話している。

【佐藤岳幸】毎日新聞 2005年6月3日 10時46分

http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/science/news/20050603k0000e040029000c.html