氾濫する青色LED――消費者から「目障り」と不満の声

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 「青色の光は、他のもっと長い波長の光に比べて、不快や不安を感じさせる傾向がある」と、『米陸軍健康増進・予防医学センター』(メリーランド州)で強い光源の悪影響を専門に研究しているデビッド・スライニー博士は述べた。

 スライニー博士によると、眼の水晶体は青色の光には正確に焦点を合わせることができないという。赤色や緑色の光だと網膜の位置で正確に焦点が合うが、青色の光は網膜のわずか手前で焦点が合うため、明るい青色の光は周りがぼやけ、目障りに感じられる。

 さらに青色は、眼球内を通る間に他の色よりも広範囲に散乱するとスライニー博士は説明する。この2つの現象が合わさって、LEDのような点光源の発する強い青色の光は網膜に広がり、視界の他の部分が見えにくくなる。これは光の分散と呼ばれる現象によるもので、青色は波長が短く、赤色や緑色などよりも屈折する角度が大きいためにこうしたことが生じる。

 また、周辺の光量が少ない場合、人間の視力は青色に対する感度が非常に強くなる(この現象は「プルキンエ・シフト」として知られている)。そのため、照明の明るい店内ではただ目立つ程度だった青色の光も、薄暗い部屋の中でノートパソコンで映画を見るといった場合にはまぶしく感じることがある。

 近年の研究によると、網膜にはとくに波長の短い光に敏感に反応してメラトニンの生成を抑制する方向に働く光受容体があり、夜間に青色の光を浴びた場合、たとえ弱い光でも、睡眠パターンの乱れや免疫システムの低下を引き起こす可能性があるという。

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http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20050601301.html