マリー・アントワネットの12曲を漫画家池田理代子がCD化

 今年はフランス革命で断頭台の露と消えた王妃マリー・アントワネット(1755〜93)の生誕250周年。これを記念して、この時代が舞台の人気漫画「ベルサイユのばら」の作者でソプラノ歌手の池田理代子さん(57)が今月、同王妃が作曲し、現存している歌曲(12曲)を、初めてまとめてCDに吹き込んだ。うち9曲が世界初録音で、王妃が生まれた11月2日にキング・インターナショナル社から出る。

 マリー・アントワネットオーストリア出身で、幼少期にウィーンで作曲家のグルックらに音楽を学んだ。フランス国王ルイ16世と結婚後も、ハープを弾くなど音楽好きだったという。

 今回録音された歌曲は、10〜20歳代の作とされ、愛や子供を歌った1曲数分ほどの小品。ウィーン風の典雅な雰囲気があり、当時フランスで出版された。だが、革命で王妃が市民から反感を買った結果、楽譜の多くは燃やされるなどして失われ、現在はごく一部がパリの国立図書館に収蔵される程度となった。

 同社の担当者がこれを突き止め、現地から複写譜を取り寄せることに成功。CD化に際し、「ベルサイユのばら」で知られる池田さんが歌手に起用された。

 「きれいでかわいい曲ばかり。世間で言われる悪女のイメージとは程遠い」と池田さん。ジャケットのデザインも手掛けるという。

(2005年5月18日3時16分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20050518ih01.htm