嵯峨天皇が瓦焼かせた? 京都・大山崎で窯跡

 嵯峨天皇(在位809−823年)が築かせ、離宮平安京の瓦を焼かせたとみられる平安時代初期(9世紀初め)の窯跡が京都府大山崎町で見つかり、同町教育委員会が7日、発表した。

 出土した瓦は、嵯峨天皇の河陽離宮嵯峨院、平安前期の平安京などで出土した瓦と形や文様が一致した。町教委は「天皇にとってタカ狩りなどでなじみがあり、桂川の水運なども利用できる場所を選び窯を築かせたのだろう」としている。

 窯は6基見つかり、それぞれ奥行き3メートル、幅2メートル、高さ1・5メートル程度と推定される。4基は口が南北一直線に並び規模が大きく、官営窯らしい。

 平安京に瓦を供給した初期の窯の跡は西賀茂瓦窯(京都市)、岸部瓦窯(大阪府吹田市)に続き3例目の確認。岸部瓦窯製と同じ唐草だが、1本だけ線が加わる文様の瓦があった。

 網伸也京都市埋蔵文化財研究所主任研究員は「平安京の大造営後、大極殿改修などに使う瓦も焼いた可能性が高い。当時の瓦生産を探る貴重な発見」と話している。
 現地説明会は11日午後1時から。

共同通信) - 2月7日21時56分更新