18禁ガチャポン「エロポン」芸術性ウケ大人気

 ガチャポンにも「18禁」の世界!? 今やガチャポンや食玩といえば、その主なターゲットは子供よりも大人に移行しつつあるが、それとは一線を画したR−18(18歳未満禁止)指定のガチャポンが話題になっている。その名も「エロポン」。確かにエロいのだが、単なるエロではなく、そこにはしっかりと芸術が潜んでいた。

 エロポンを製作したのは、「子連れ狼」や「水戸黄門」といった時代劇フィギュアでおなじみのアルフレックス(東京都新宿区)。同社のガチャポン参入は初めて。

 時代劇フィギュアが12インチ(約30センチ)サイズなのに対し、エロポンは、その3分の1の大きさだが、営業企画部の蓑田浩二さんは「12インチのフィギュアも1つのスタンダードだし、食玩サイズもスタンダード。わが社も並行してやっていきたいという気持ちが、ようやく実現した」と話す。

 新規参入にあたり、「他社のやっていない独自の領域を考えたら、エロ物になった」という。

 エロ物とはいえ、「アニメ系ではひいてしまう面も大きい。時代劇物で培った技術を駆使して、ある意味、日本の伝統文化ともいえる『春画』とか『浮世絵』の雰囲気を狙ってみた」と説明するのは、同社アートディレクターの高杉涼さん。

 高杉さんらは、かつて実在していた緊縛絵師をモチーフにして、「原田雨情」なる架空の人物を仕立て上げ、その雨情が、「緊縛された女性を描く」という設定で、計16種類のフィギュアを製作。ガチャポンや食玩特有の楽しみも残して、「うち1種類はシークレットにした」。

 エロポンという軽めのネーミングからも、ターゲットは若い大人向けと思いきや、「昭和初期のカストリ雑誌の扉絵や挿絵など、ノスタルジックなエロスを目指したので、これまでガチャポンや食玩に興味のなかった60〜70歳代に食いついてもらえれば…」というのが、真の狙いだ。

 確かに作風が純和風のため、古い感じのエロスがにじみ出ており、その世代にも合いそうな仕上がりとなっている。

 現在もっぱらの悩みは販売ルートで、「普通の食玩などのように、コンビニに置ける商品ではなく、ホビーショップでさえ、子供の出入りできる場所ではつらい。アダルトショップやビデオショップなど、売る方法・場所も違う切り口を考えなくてはならない」(蓑田さん)。

 こんな苦労のほか、価格もカプセルタイプが500円、ボックスタイプは735円と高めだが、「こだわりがウケたのか、最初の生産ロットはあっという間にはけた」と蓑田さんは笑顔。Web上では、すでにプレミアがついた価格での売買もされており、今冬には第2弾、第3弾の発売も予定されている。

 今夏に東京ビッグサイトで行われた、ホビーやオモチャの祭典「ワンダーフェスティバル」では、「若い女性がまとめて買っていくなど、異様にお客さんが盛り上がっていた」といい、高杉さんは、「新シリーズの問い合わせや、緊縛の大好きなそのスジの方からも、絶大な支持や『次はここをこうした方がいい』というような注文もいただきました」と苦笑する。

 もちろんメーンターゲットとなっている60〜70代からも、「昔はよくこういう絵を見たもんだよ」「歌麿や48手シリーズなんてどうだろう」といった声が盛んに届けられており、「いつの時代もエロは色あせない」(高杉さん)ことを証明している。

 これまでもさまざまな進化を遂げてきたガチャポンが、さらに枝葉を広げて発展しそうだ。

ZAKZAK 2004/11/13

↓元ネタ

http://www.zakzak.co.jp/top/2004_11/t2004111304.html