スパコンの速度ランク

 米独の研究グループが8日発表したスーパーコンピューターの演算処理能力ランキング「TOP500」によると、02年6月から首位を守っていたNEC製「地球シミュレーター」は3位に転落した。首位は、1秒間に70兆7200億回という処理能力を記録した米IBM製「ブルージーン/L」。これまでも日米間で抜き抜かれを繰り返しており、開発競争はさらに過熱しそうだ。

 2位は、米航空宇宙局(NASA)が利用する米シリコン・グラフィックス(SGI)製「コロンビア」の51兆8700億回だった。地球シミュレーターの記録は35兆8600億回。

 年2回の発表を始めた93年から今回までの24回で、1位の回数は米メーカーがインテル、IBM、シンキング・マシンズの3社で13回、日本メーカーがNEC、富士通日立製作所の3社で11回。最近では97年以来守っていた首位の座を02年に抜かれた米国が、国を挙げて能力強化を掲げていた。

 特に、核爆発のシミュレーションなどを担当とする米エネルギー省は昨年、当時のNECの能力の「100倍の性能」を目指す方針を表明。さっそく1位を奪還したブルージーン/Lは近く、その米エネルギー省の研究所に納入される。

 一方、日本でも富士通が10年をめどに3千兆回を目指すなど、開発を加速させている。NECは10月、理論上は65兆回の計算ができるスーパーコンピューターを開発したと発表したが、ランキングは実際に確認した記録で比べるため、今回は比較対象外だった。

(11/09 18:34)


のほほん

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