長大人生絵巻から原画まで一堂に 

 「ゲゲゲの鬼太郎」などで知られる漫画家水木しげる(82)の軌跡を振り返る「大(Oh!)水木しげる展」(朝日新聞社など主催)の開会式が5日、東京・両国の江戸東京博物館であった。6日から始まる同展では、初公開の原画、紙芝居、描き下ろしの人生絵巻など、約1000点の資料が展示されている。

 開会式ではノコギリ演奏家のソーヤー谷村氏が「ゲゲゲの鬼太郎」のテーマ曲を演奏した。挨拶に立った水木氏は「私は昔からコレクターだった。昆虫、貝殻から新聞の題字まで何でも集めて、それを見ては楽しんでいた。それで、今はカネのコレクターでもある」などと、幼少時代から南方の兵隊時代の話を織り交ぜながら会場を笑いに包んだ。

 同展は幅40センチ、長さ10メートルに及ぶ人生絵巻から始まり、天衣無縫な子ども時代の童話絵本や、徴兵されて向かった南方の激戦地ニューブリテン島(ラバウル)で左腕を失い、野戦病院生活で親しくなったトライ族のスケッチなどともに、水木氏のルーツを振り返る。また帰国後、紙芝居作家などを経て、貸本漫画家としてデビューした当時の作品も数多く展示され、鬼太郎の登場から始まる人気作家のこれまでの歩みを丹念に追っている。

 水木氏は同展について「80歳を過ぎると、ひとつのことに感動して倒れるなんてことはないけど、全部よくできている。面白く拝見しました。漠然と見ただけだけど……」などと自賛。また、今なお現役でいる秘訣について問われると「私は絵を描いて皆さんを化かすわけです。みんなを騙しちゃあ、カネを巻き上げる。私の周りにいる妖怪が考えるらしく、自然に事が運んでカネも入るようになっている。やっぱり、妖怪がいるんじゃないですか」と煙に巻いた。 (11/06 02:55)


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