壬生狂言の能面調査

 京都市中京区の壬生寺は27日、重要無形民俗文化財壬生狂言に伝わる仮面の一つから、赤外線撮影調査で、安土桃山時代の年号を記す墨書が見つかった、と発表した。これまでは江戸時代後期の作と推定されていたが、調査した専門家は「すでに近世以前に壬生狂言が現行のような筋書きのある無言劇になっていたことが初めて確認できた」と話している。

 墨書が見つかったのは、演目「大江山」の酒呑童子役の面。肉眼では見えなかった漆塗りの下から、奉納した年月日とみられる「文禄参(1594)年3月捨5日」や、製作者を示す「井関東悦」の墨書があることが判明した。

 壬生狂言鎌倉時代の僧円覚が、民衆に分かりやすく念仏の教えを説くために始めたとされる。当初は素朴な踊りのような形態で、物語性のある狂言になったのは江戸時代の慶安3(1650)年以降とされていた。

 赤外線調査は、壬生寺に伝わる190の面のうち140面を対象に行った。担当した大谷節子・神戸女子大助教授は「ほかの面からも興味深い墨書が多く見つかり、芸能史の発展を知る上で貴重な資料になる」と注目している。
京都新聞) - 10月27日20時42分更新


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