理研、最も重い113番目の新元素発見

 理化学研究所理研)は28日、これまで知られている元素の中では最も重い113番目の新元素を発見したと発表した。

 正式に認定された場合、発見者が自由に名付けることができるため、元素の周期表に日本発の名前が初めて登場することになりそうだ。

 この新元素は、原子核の陽子数を表す原子番号が113の物質。理研加速器亜鉛原子番号30)を加速し、ビスマス(同83)に衝突させる実験を80日間繰り返した結果、亜鉛ビスマスが融合した新元素が生成された。

 新元素は、誕生直後から「アルファ崩壊」と呼ばれる分裂を続けて起こしてドブニウムになった。この過程がすべて記録され新元素の生成が証明された。ロシアの研究所も生成を報告しているが、崩壊の連鎖が既知の物質につながらず、新元素と立証できていない。

 新元素は物理学の国際組織が認定する。発見者の森田浩介先任研究員は「同様の実験を10月から再開して確実なものとし、新元素の命名権を獲得したい」と話している。

 理研内では、新元素を「ジャポニウム」と名づける案などが浮上しているが、理研野依良治理事長は「100年前、日本人研究者が命名したニッポニウムという新元素が事実誤認で取り消された経緯もあり、新元素はリケニウムと名づけたい」と話している。