体内時計整える


 動物の体内で1日のリズムを刻む時計が狂った時、食事にリズムを整える働きのあることを、産業技術総合研究所の石田直理雄(のりお)・生物時計研究グループ長らがマウスを使った実験で示した。人間にも当てはまるなら、夏休みの海外旅行で時差ボケに悩む人に参考となる成果と言えそうだ。近く専門誌に報告する。

 体の組織には、働き方が24時間周期で変わる遺伝子がある。グループはそんな遺伝子の一つ、Per2に着目。マウスを昼夜逆転させた環境に置き、自由にえさを食べられる場合と絶食させた場合とで、この遺伝子の心臓における発現の様子を継続的に調べた。

 えさがある場合、新しい昼夜のリズムに適応した発現状態に3〜4日で変わったが、絶食させた場合は変わらなかった。本来、夜行性であるマウスの活動頻度を見ても、えさを食べられると3〜4日で新しい夜の時間帯に活動が集中するようになったのに対し、絶食させると変化はなかなか現れなかった。

 石田グループ長は「食事の刺激が体内の時計を動かして、行動にも影響を与えているようだ。時差ボケを治すには移動先の時刻に合わせた食事が役立つという説があり、それを裏付けるような結果になった」と話す。 (08/17 03:04)


お前の体はフェイド・アウト 消え入り果ててゆく

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